育休延長、誰ができる?できない?申請方法は?
育休の取得期間はベースが1年(子供が1歳になる前日まで)、
条件を満たせば最大2年まで取得可能となっています。
育休取得の条件についての解説や、育休取得条件の厳格化についても述べていきます。
育休とは?産休と何が違うの?取得条件は?
育児休業について
産休との比較などを表にまとめてみました。
種類 | 育休 | 産休 | 退職 |
---|---|---|---|
期間 | 子供が1歳になる前日まで (条件により最大2歳の前日まで取得可能) | 出産予定日の6週間前~ 産後8週間後まで (状況により前後あり) | ー |
申請先/管轄 | ハローワーク | 健康保険協会など ※国保除く | ハローワーク |
取得条件 | 令和4年3月31日まで └①同一の事業主に引き続き 1年以上雇用されている こと ②子が1歳6か月に達する日 までに労働契約 (更新される場合には、 更新後の契約) の期間が 満了することが明らか でないこと 令和4年4月1日から └①を廃止 ②のみ | 雇用契約に関係なく 取得可能 | ー |
支給される手当 | 育児休業給付金 (雇用保険加入などの 別途条件あり) | 出産手当金 (社会保険加入などの 別途条件あり) | 失業給付金 (雇用保険加入などの 別途条件あり) |
産休育休と一口にいっても取得できる要件や管轄が異なります。
また育休をとることと育児休業給付金を受け取ることは別の話となります。
それぞれの取得要件を確認する必要がありますのでご注意ください。
私は2人目出産時、育休を取得しましたが
育児休業の給付金の要件は満たせなかったので、
手当なしでお休みだけいただきました。
育休の延長とは?だれでも延長できる?育休延長の条件はこれ!
結論、育児休業(以下育休)の延長は条件を満たした場合のみ適用されます。
もともと育休の期間はこのように定められています。
原則1歳の誕生日の前日まで。
ただし保育所に入れないなどの場合は最大2歳の誕生日前日まで延長可能。
最大2年の取得は段階的に延長申請し
条件を満たした場合に適用されます。
現在育休は期間中2回まで分割して取得することが可能となりました。分割取得の仕組みなどは別記事で紹介します。
今回は一括で取得するケースをもとに解説してゆきます。
延長方法は?
育休の延長は条件を満たした場合のみ延長ができます。
実は私も1人目で育休を延長しました。
延長の条件について簡単に述べると
①保育園の入園で落選してしまった
②養育予定者の死亡・病気・別居・負傷
①もしくは②の状態であることが条件です。
今回のテーマは保育園の落選狙いがテーマでもあるので①に絞り込んで説明します。
下記は厚生労働省による育休延長を一部抜粋したものです。
育児休業の申出に係る子について
市町村に対して保育所※1における保育の実施を
希望し、申込みを行っているが、その子が1歳又は1歳6か月に達する日※2後の期間につ
いて、当面その実施が行われない場合
※1 児童福祉法第39条に規定する保育所をいい、いわゆる「無認可保育施設」は含まれ
ません。
※2 一定の要件を満たすことにより、育児休業終了予定日が1歳に達する日後である場
合は、当該終了予定日。
☆あらかじめ1歳に達する日又は1歳6か月に達する日の翌日について保育所等におけ
る保育が実施されるように申込みを行っていない場合など復職の意思がない場合は該当
しません。保育所による保育の申込み時期等については、市町村にご確認願います。○ 保育所※1による保育が実施されない・・・・市町村により発行された証明書等※2
※1 保育所とは、児童福祉法39条に定める保育所であり、いわゆる無認可保育所は含まれません。
※2 保育の申込みを行い、かつ1歳到達日の翌日(1歳の誕生日)又は1歳6か月到達日の翌日において保育が
行われていないことが確認できる市町村が発行した証明書等が必要です。
赤字のところがいわゆる不承諾通知ですね。
このように育休を延長するためには
保育園に申し込みしたにもかかわらず落選してしまった…ということを
証明しなければならないのです。
申請タイミングに注意
段階的な申請が必要と述べたように
最大2年の延長をする場合には最低でも2回の延長申請が必要となります。
1回目(1歳6か月までの延長) | 1歳の誕生日の2週間前まで |
2回目(2歳までの延長) | 1歳6カ月になる翌日の2週間前まで |
会社に所属している方は申請先は基本的に会社になります。
会社を経由してハローワークに申請する形になるので
期限には余裕をもって動くほうがいいですね。
育休延長の厳格化とは?
育休の延長について
最近世間では、「落選狙い」での保育園申し込みが問題視されるようになりました。
落選狙いとは簡潔に言うとわざと受かりにくい時期に、
人気の保育園に申し込みをする等という行動のことです。
そしてその行動が問題視されている背景にあるのは
育休を1年以上延長する条件として
保育園落選した際に自治体から発行される「不承諾通知」の存在だという意見があります。
落選狙い、具体的に何が問題なのでしょう
保育園の落選狙いは不正?
結論、不正とまでは言えないという状態のようです。
ただし育児休業延長制度ができた目的として利用しているとは言えず
育児休業の不正取得であるという意見があるのも現実です。
ではその不正といわれる理由についてもう少し詳しく解説していきます。
そもそも育休の延長は何の目的?
そもそも育児休業の延長はどのような目的で設定された制度なのでしょうか?
この答えは待機児童問題につながります。
参考リンク:厚生労働省
待機児童のピークは2017(平成29)年の26,081人
対して2023(令和5)年4月1日時点の待機児童数は2,680人。
育児休業の給付金も育休の最大取得期間である2年間まで延長されるようになったのは
平成29年の10月からでした。
ここからもわかるように、育休の延長は待機児童問題と深い関係があります。
そして現在は待機児童問題は調査開始時より5年連続減少しています。
就学前人口の減少+保育の受け皿拡大という要因で減少している地域が増えています。
この状況から考えると、子供の数は少ない、すなわち保育園に受かりやすい状況にもかかわらず
待機児童が減っていかない事が問題となるようです。
居住住所や勤務先などにより、希望保育園に偏りが出ることはもちろん考えられますが
落選狙いが増加しあまりにも局所的な申し込みになると、
申し込みを請け負う自治体からも疑問の声がでるのは想像しやすいのではないでしょうか。
近隣の園と比較して場所も設備も大きく変わらないのに
あまりにも1か所の園だけ応募多数になっていると確か理由が気になりますよね。
落選狙いの申し込みによる影響
落選狙いの申し込みが多発する影響として
役所やハローワーク側の手続きが多くなることが問題とされています。
不承諾が多いとそれに関連する各手続も発生します。
そしてその影響は少なくとも、不承諾を受けた子供1人1人の進路がどうなるか
育休を終えるその日まで自治体やハローワークはボールを持っていなければいけないわけです。
育休は最大2年間。2年間手続きのボールを抱えていなければいけないので
業務の圧迫にもつながります。
まとめ
育休の延長は、仕事復帰を控えている人達にとってなくてはならない制度だと思います。
そもそも今の延長制度に疑問の声もあったりしますが
成り立ちや役割を理解して、気持ちよく子育てできる環境を作っていけたらいいですよね。
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